なんか、定期的に歯ぐきが腫れるんですけど・・・。

皆さん、こんにちは！！

院長の小泉です。

クリニックで診療していると、患者さんからこのような声をたまに聴くことがあります。

「たまに歯ぐきが腫れるんです・・・。でも、２～３日で落ち着きます。」

「奥歯の歯ぐきにプクっとニキビみたいなものがあるんです。疲れたりすると、大きく腫れてしまいます・・・」

皆さんも、ご経験ございませんか？

たまに来る歯ぐきの腫れ。

これ、実は大変なことかもしれません。

今回は、そんなたまに来る歯ぐきの腫れについて話します。

１．たまに来る腫れ、いったい何なのか？

身体が疲れていたり体調を崩したときに、歯ぐきが腫れることがあります。

疲れや病気の時、体の抵抗力は著しく低下します。

その結果、炎症が起こりやすくなり歯ぐきが腫れてしまいます。

では、その原因は何なのか？

大まかに分けて、３つの理由があります。

①　親知らず

通常、一番奥の歯の後ろに親知らずは存在します。

日本人は民族的に顎が小さいため、親知らずは生えきることが出来ず、歯ぐきの中で真横や斜めの位置で止まってしまいます。

そんな位置にある親知らずは、手前の歯との間にスキマを作り、汚れが溜まりやすくなってしまいます。

汚れが溜まると、それをエサにしてバイ菌がたくさん発生してしまいます。

増えたバイ菌に歯ぐきが反応して炎症を起こし、歯ぐきが腫れてしまいます・・・。

②　歯周病

歯周病とは、歯ぐきの病気です。

歯と歯ぐきの間に汚れが溜まり、バイ菌が増えていきます。

増えたバイ菌は歯ぐきの中に入っていき、歯ぐきに炎症を起こします。

その結果、歯ぐきは腫れてしまい、歯ブラシで出血しやすくなってしまいます・・・。

③　膿の袋

以前歯に神経を取る治療をした場合、神経のあった管に薬を詰めて封鎖します。

薬を詰める際、管の中にバイ菌が残ってしまうことがあります。

残ったバイ菌は時間をかけて増えていき、歯の根の先に膿の袋を作っていきます。

この膿の袋、いつもは大人しくしているのですが、時々暴れだし歯ぐきを腫れさせます・・・。

（正式には、「根尖性歯周炎」と言います）

２．じゃあ、どうしたらいいの？

歯ぐきが腫れてしまう３つの原因。

では腫れてしまった場合、どのように治療しなければならないのか？

考えていきましょう。

①　親知らずの場合

親知らずの歯ぐきが腫れてしまう原因は、スキマの残った汚れとバイ菌です。

したがって、毎日しっかりブラッシングして、定期的に歯医者でクリーニングを受けて頂ければ腫れることはかなり少なくなると思います。

しかし、スキマが深く自身のブラッシングでも汚れを取り切れなく、頻繁に歯ぐきが腫れてしまうようであれば、親知らずは抜歯してしまった方がいいです。

斜めや横に生えてしまっている親知らずは噛むことに参加しておらず、抜歯しても食事に影響ありません。

頻繁に（おおよそ月に１回や２週間に１回）腫れてしまう場合は、かかりつけの歯科医師にご相談ください。

②　歯周病の場合

歯周病に関しても、腫れてしまう原因は、歯と歯ぐきの間（歯周ポケット）の残った汚れとバイ菌です。

歯周ポケットに入ってしまった汚れを自身のブラッシングで取り除いて頂ければ、炎症が起こることはありません。

しかし、歯周病が進行してしまいポケットが深くなってしまうと、自身のブラッシングでは取り除くことが出来ません。

歯科医院でのクリーニングを行い、深い部分の汚れを取り除いたり、場合によっては手術で歯ぐきを開いて掃除しなければならないこともあります。

歯ぐきが腫れてしまい、歯周病だと診断されてしまった場合、しっかり治療しなければなりません。

③　膿の袋の場合

歯の根の先にできてしまった膿の袋を治療するには、再度根の治療をしなければなりません。

歯の被せ物や詰め物を取り、土台となる部分も取り、根の中に詰めてある薬も取り除き、根の先にある膿の袋を消毒していきます。

何回か消毒を行い、膿が無くなったところで再び薬を詰め、歯を作っていきます。

しかし、根の治療をしても、なかなか膿が消えない場合があります。

その時は、外科的に悪くなっている根の先を取り除くこともあります。（歯根端切除術と言います）

３．まとめ

日常生活している中で、突然歯ぐきが腫れてくるとビックリします。

腫れだけでなくズキズキ痛みも伴ってしまったら、何もする気が起きません・・・。

もし腫れや痛みが自然に収まったとしても、放置しないようにしてください。

その腫れや痛みは、必ず繰り返し、回を重ねるたびに悪化していきます。

もし腫れや痛みが出たら、すぐに歯科医院で診てもらって下さい。

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