CAD/CAMってなに?おいしいの?

2017.10.20

CAD/CAMってなに?おいしいの?

こんにちは!!

先日、断捨離を決行しスッキリした、院長の小泉です。

意外といらない物は多いですね・・・。

 

虫歯が大きくなり神経を取り除いてしまった歯は、歯の質が非常に脆くなってしまいます。したがって歯の強度を強くするために、全体的に被せる差し歯を最終的に装着することが多くなります。

健康保険の治療では、上下左右共に一番奥と奥から2番目の歯は金属で被せることになります。

しかし、奥から3番目、4番目の歯は、保険適応内でも白い歯で被せることができます。

今回は、そんな保険適応内で装着できる白い歯について、お話いたします。

 

1.どこの歯が保険適応になるのか?

保険で出来る白い歯を装着できる歯は、専門的に小臼歯と呼ばれる歯のことです。犬歯の1本奥、さらにもう1本奥の歯になります。

← 奥から3本目4本目が小臼歯です。

この部分の歯は手前の方にあり、お口を開けたり口角を挙げて笑うと、比較的見えてしまいます。ここに金属の歯が入ってしまうと、キラリと光ってしまい、目立ってしまいます。

← 金属の差し歯。目立ちますね・・・。

したがって、白い歯を装着することで、目立たなくしていきます。

← 白い差し歯。目立ちません。

 

2.保険適応の歯は、どんな歯なのか?

保険適応内の白い歯のことを、CAD/CAMクラウンといいます。

 

CAD/CAMとは、 Computer-Aided Design / Computer-Aided Manufacturing の略です。

訳すと、「コンピュータ上で設計をし、コンピュータ上で作製する」ということです。

CAD/CAMクラウンは、そのほとんどをコンピュータ上で作製します。

作製方法は・・・

  1. 形を整えた歯の型取りをし、模型を作製する。
  2. その模型をスキャナーで読み込み、データ化する。
  3. パソコン上でデータ化した歯を使い、差し歯の設計をする。
  4. 設計したデータを、差し歯を作製する機械に送る。
  5. 材料となるブロックを差し歯の形に削り出す。
  6. 出来上がった差し歯を磨いて完成。

 ← スキャナーです。

 ← 差し歯を削り出す装置です。

差し歯を作るのも、デジタル化しています。スゴイですね。

差し歯を作る材料のブロックは、ハイブリッドレジンと呼ばれる物を使用します。このブロックは完全に硬化したもので、3Dプリンタのように削り出して、差し歯を作製します。

← CAD/CAMクラウン用ブロックです。

 

3.CAD/CAMクラウンのメリット・デメリット

とても優れたCAD/CAMクラウンなのですが、やはりメリット・デメリットがあります。

① メリット

  • 保険適応内なので、価格が安い。 (3割負担の方で、型取りするときに2500円位、装着する時に5000円位です。)
  • ある程度、周りの歯の色に合わせることが出来る。

② デメリット

  • 保険診療範囲内の材料しか使用することが出来ないので、強度がそこまで強くは無い。
  • 歯への接着が難しく、外れてしまうことがある。

この中でも、最も大切なのが「強度」です。

装着する歯は、お口の中でも最も咬む場所と言われています。すなわち最も咬む力がかかる所になります。CAD/CAMクラウンは、強度的に弱いためクラウン自身削れてきてしまったり、力に負けて割れてしまうことがあります。

この点を、しっかりご説明し、ご理解頂いて治療していきます。

手前の歯に金属が入っていて、気になっている方。

是非一度、ご相談下さい。お待ちしております。

 

4.まとめ

歯科の技術は、日々進歩しています。常に新しい材料が発売され、新しいシステムが開発されています。

しかし、その全てが良いものとは限りません。新しく出たものに対して、メリット・デメリットを見極め、判断していかなければなりません。

進歩に遅れることなく、アンテナを張り、情報を集め、本当に良いと思えるものを導入していく。

すべては、患者さんの利益になるために・・・。

 

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