印象は、人にも歯にも、大切です。
2017.10.03印象は、人にも歯にも、大切です。
こんにちは!!
最近、エイリアンの最新作を観て複雑な気持ちになった、院長の小泉です。
謎は深まるばかりです・・・。
虫歯になってしまい、治療することになった。小さい虫歯であれば、部分的に白い詰め物をして1回で終わってしまいます。
しかし虫歯が大きくなってしまった場合、白い詰め物では強度的に厳しいため、金属の詰め物や差し歯のような被せ物を作製していくことになります。
この時、詰め物や被せ物を作るために、歯の型取りをします。
この型取り、大変なんですよね・・・。お口の中に大きなものが入って、固まるまで待たなければならない・・・。
しかし、必要なものなんです。
今回は、型取りとは何なのか?型取りする時のコツなど、詳しくご説明致します。
1.なぜ歯の型を取らなければならないの?
歯に装着する詰め物や被せ物は、直接お口の中で作製することができません。そのほとんどを歯科技工士さんという専門の職人さんが作製します。
歯科技工士さんに作製して頂くため、虫歯を取って形を整えた歯の模型を作る必要があります。この歯の模型を作るために、型取りをします。
なので、正確な歯の模型を作るため、精度の高い型取りをしなければなりません。
2.どうやって歯の型取りをしているの?
専門的に、型取りのことを「印象(Impression)」と言います。印象には特殊な材料を使用していきます。
まず、印象のベースとなるのが「アルギン酸ナトリウム(アルジネート)」と呼ばれる材料です。歯医者さんで型取りのご経験がある方は、ピンク色の軟らかい物をご覧になったことがあるのではないでしょうか?
アルジネートは粉末なのですが、水と混ぜるとスライムのようになります。その状態でお口の中に入れ、数分待つと固まります。これで歯の印象を取ることが出来るのです。
しかし、詰め物や被せ物をする歯は複雑な形をしており、アルジネートだけでは精密に印象出来ません。
そこで、精密な印象を取るために「寒天」を使用します。寒天とは、杏仁豆腐などで使われる食べる寒天とほとんど同じものです。
寒天は温めると軟らかくなり、冷えると固まる性質があります。温めた寒天を複雑な歯の形に流し込み、アルジネートで覆うことで寒天が冷えて固まり、精密な印象を取ることが出来ます。
このようにして、歯の印象を取り、印象に石膏を流すことによって、詰め物や被せ物を作製する模型が出来上がるのです。
3.印象が苦手な方へ
患者さんの中には、
「歯の型取りが苦手」
「型取りするものを入れるとオエッとなってしまう」
という方がいらっしゃいます。
確かにかなり大きなものがお口の中に入ってくるので、辛いです。
原因は「嘔吐反射」。
嘔吐反射とは、お口の奥のほうに物が入ると、吐き出そうとする反射のことです。喉の奥に指を入れるとオエッとなってしまいますよね。
奥歯の印象の場合、アルジネートを奥のほうに入れなければなりません。それが嘔吐反射を引き起こしてしまうのです。
そんな方に、良い方法をご紹介いたします。
それは、「鼻で呼吸する」です。
印象を取っている時、お口で呼吸すると嘔吐反射が起きやすくなります。印象が入っている間、鼻で深呼吸することで大分楽になります。
また、少しアゴを引いて下を向くようにすると、楽になります。
型取りが苦手という方、機会がありましたらお試し下さい。
4.まとめ
歯の詰め物や被せ物を作製するために、印象は今のところ必要なステップです。
しかし近年、治療のデジタル化が進み、形を整えた歯を専用のカメラでスキャンし画像をデータ化して詰め物や被せ物を作製するシステムが開発されてきています。
以前に比べると、精度も良くなってきていると思います。
私も実際に使用したことがありますが、まだ色々問題はあるのかなと思いました。
もう少し技術が進歩し、普及してくれば、印象というものが無くなっていくのかもしれませんね。
メーカーさんに期待です。
実は私も印象を取られるのが苦手なんです。学生の頃、練習で印象を取ったり取られたりしたのですが、苦労しました・・・。
苦手な方、お気持ち分かります・・・。
小泉デンタルクリニック ← Click Here
03-6450-8186 ← Call Please
下北沢駅南口より徒歩9分 ← アクセスはこちら